天国から地獄へのスピード
こんにちは。noutiです。
何気ない、普通の一日が、とてもかけがいのないものに感じます。
私も、以前より色々なことに感謝できるようになりました。
よく、「当たり前のことに感謝するように」と言われますが、アルコール依存症者と日々生活していると、超当たり前のこと、他の人が見たらどうでもいいこと、普通のことでも、もう特別に感じて、感謝できるんです。
普通の基準が下がっているのではなく、普通以下の深さをあまりにも深いところまで経験したから、普通は、実はものすごく素晴らしいものだったということに気づいたのだと思います。
ここまで経験しないと分からないのか・・・と自分の小ささを感じさせられます。
アルコール依存症者の豹変
アルコール依存症者の行動は、異常です。酔っ払った時の変わりようは、チワワが猛獣になったくらいに大変身します。
とんでもなくひどい言葉が発せられて、どうしてそういう発想ができるのと思うくらい被害妄想に陥り、相手の過失を徹底的に責めます。
小さな過失を目ざとく見つけて、自分のことを棚に上げて、これでもかと猛烈に攻めまくります。理不尽です。
肉体と精神を持った人間は、こんな状況に遭遇すると、泣くまいと思っても、冷静にいようと思っても、理性と感情のコントロールを失い、狼狽します。人間の限界、弱さを思い知ります。
このブログで、何度も何度もしつこく書いているように、アルコール依存症は「病気」です。当人は病気により苦しんでいます。
でも、この病気の症状があまりにも過酷で、周りの人を巻き込むから、まともにこの病気と付き合おうとすると、信じられないくらい過酷です。
だから、アルコール依存症者の家族は、自らの精神と人格の形成は必要不可欠になってきます。台風の目のように、周囲を巻き込むので、何もしないでボーっとしていると、どんどん巻き込まれて、共に破滅に向かう病気だからです。
アルコール依存症者の変わりようのスピードに慣れることは必要です。なぜならそのスピードと変わり方が普通じゃなく、わかっていないと対応を誤り、余計な災害を生むからです。
私の夫は、料理が好きです。特に、ふんだんに野菜を使ってヘルシーな料理を夫が自ら作っているときには、私は見ていて、とても安心した気持ちになります。
普通の家庭だと別段変わったことでなくても、毎日毎日寿命を減らしている行為をしている人間が、少しでも健康を意識し、そのための実際の行動をしているのを見るだけで、もう平和なんです。本当にこんな些細なことでも、特別に感じます。
ただし・・・。
アルコール依存症によって引き起こされる「豹変」は半端ないスピードです。たとえ、その日の朝ごはんも、昼ごはんもすごく普通に、健康的に、一緒にまともに過ごせたとしても、そのあと酔いが入り、そしてちょっとしたきっかけで、アルコール依存症者を刺激するようなことがあれば、一瞬のうちで地獄に変わります。
あれっ?数時間前までのは何だったんだろう?っていうくらいの豹変です。
もしくは数十分前、数分前のレベルです・・・。
超早いスピードで、チワワが猛獣になります。ありえなさすぎて、まともに見ようとするとこの変化についていけません。
ショックと悲しみと、一体さっきの天国はどこに行ってしまったの?という思いと、色々なものが複雑に絡んで、絶望へとどんどん突き落とされます。
アルコール依存症者は、きっかけがあれば、いつでもどこでも、豹変してしまうんです。
ただ、もちろん逆も然りで、バカみたいに騒いで、猛獣のように吠えていたのに、一晩寝て、翌日起きるとケロリとしていることもあります。もちろん、引きずっていて、グダグダ文句と嫌味といじめみたいなものを繰り返すときもあります。
いずれにせよ、とても一人の人間と思えないほど、「豹変」するんです。
豹変は想定内で、きっかけにならない
すべて、これは病気による症状です。意志がコントロールできない病気によって、人間でありながら人間を失ってしまっています。
周りにいる家族は、いつでもどこでも、一瞬で変わるカメレオンのように、アルコール依存症者は変わりうるという認識を持つこと、そして、変わるようなきっかけを、「家族側」が要因で作ってしまうことを極力避けることもとても大切です。
本人の自爆による豹変だけは放置します。
アルコール依存症者は絶えず、自分に絶望しています。絶えず、自分に怒っています。だから周りが超普通にしていても、勝手に自爆したり、濡れ衣を着れられたり、することもあるんです。
それらに対しては、私の心を傷つけることを許さないように努め、何もせず、勝手に自爆させます。注意もしないし、叱責もしないし、説教もしないし、無視と放置です。
アルコール依存症による害は様々ですが、その中で注意しなくてはいけないのが、家族側によって引き起こされたものです。
数々あるアルコール依存症の行動には、実は家族側によって引き起こされているものも多いことを知り、認めることは回復へのスタートです。
私は私によって、不用意に夫を刺激し、夫の依存症の進行を応援していました。
アルコール依存症は本人しか治せられません。
医者も家族が治すことができるわけじゃありません。でも、私によって、不用意に問題やトラブルを引き起こし、それによってアルコール依存症を進行させることだけは自ら知恵をつけ、学び、謙虚になり、反省し、精神の成熟と人格の向上に努めることによって、どれだけでも少なくすることができるのです。
不覚にも、家族側からも発症させてしまっていることが少なからずあることを認めることは、地獄の扉を少しずつ閉じることに確実につながっています。
今日からtwitter始めました。こちらでもよろしくお願いします。
と言っても、しばらくブログの更新を報告するだけかもしれません。