アルコール依存症:Noutiブログ

脱アルコール依存症の病気:のうてぃ思考のNoutiブログ

今日1日だけ、依存症者の領域に踏み込まないこと!元アルコール依存妻のうてぃが、依存から自立へライフチェンジを目指す日々。自立して生きることを始めよう。Think Simple。

依存症の夫から「君は浮気している」と言われたら

依存症者とのやりとりの中で、悲惨なこと、地獄のようなことは沢山経験しましたが、(その一例はこの中に挙げています。noutiのスタンス - Nouti-アルコール依存症の家族)その中で、怒る気持ちもなくなるくらい、本当にがっかりだったのが、「君は浮気している」系の発言でした。

「君が浮気している」と言われた時の態度の変化

この発言、何も1回きりでなく、一定時期をおいてまた言われれたりするんです。私は最初の頃、そういうことをいう夫にムカついていました。

 

あまり、初期の頃の対応を覚えていないので、どうムカついていたのか、ムカついていた気持ちを表していたのか、自分の心だけにしまっていたのか、正直覚えていません。

 

ただ、段々とこの発言がバカバカしくて、バカバカしくて、無視するようになりました。

 

そして、次第に、無視どころか、冷笑するくらいになってきました。(怖っ!)

 

ちなみに、こういう発言が来るときは、私があまりに夫の相手をしなかったり、たまたま着ていた服に香水の匂いがしたり・・・とか、そんなことです。

 

全部些細なことなんですが、アルコール依存症の夫は、こういう些細なことから、一気に妄想?をふくらませます。そして、その結果出てくる言葉は、「君は浮気している。」なんです。

 

noutiが考える浮気発言の裏側

ちなみに、私が予測するに、彼の深層心理はこうです。彼は自責の念でめちゃくちゃ打ちのめされています。正直、彼は彼自身が大嫌いです。こんな自分が嫌で嫌でたまらないです。回復したいけれど、それすらコントロールできない・・・うつ状態になり、アルコールでも飲まなきゃやっていけない状態に・・・

 

そんな自分に対して、目の前にいる妻が自分を好きになってくれる「はずがない」とどこかで思ってしまいます。

 

冷静になって、飲んでいない時には、こんな発想には絶対にならなくても、お酒を飲んでいて、孤独で、惨めなときは、もう被害妄想も半端なく出てくるのです。恐怖と不安がささやき、脳へ攻撃してくるようなものです。

 

その結果、自分は捨てられるとか、自分のこと好きなはずがないとか、こんな自分を愛してもらえるわけない・・・といった気持ちに耐えられなくて、いっそうのこと相手が「浮気している」とすれば、それは相手の問題の過失が大きくなりますから、せめてでも救われるのです。

 

まだ、「浮気されてかわいそうな自分」の方が、真正面から、自分の行為によって愛想をつかれたと、本当大失敗をしてしまったと思うより、よほどましです。

 

自分の行為を咎められる前に、相手の行為にして、相手の責任にして、それを先に早出しして、なんとか、自分がまた自責の念で苦しむことから逃げようとしています。

 

ちなみに、これは私の予測です。

 

アルコール依存症者の本当の心の動きは、私はアルコール依存症者ではないので、わかりません。多くの経験から、恐らく私の夫の場合は、こうだろうな〜と思っています。

 

noutiの対応の変化ー無視・冷笑から対話へ

話を元に戻すと、私はこの発言を、ある一定時期をおいて、言われ続け、今度言われても、すぐに冷笑する(全く相手にしない)状態にまでなっていました。

 

でも、落ち着いて考えてみると、この態度は、私も相当傷ついている中での、私の精一杯な自己防衛でもあったのです。

 

冷笑でもしないと、やってられない、受け入れてられない、相手にしてやれない・・・「もうそんなこというのやめてー!」っていうSOSサインが、私の場合は、冷笑もしくは失笑でもして、軽くあしらうことで、なんとかこの事態に足を踏み入れることから自分を守っていたのでした。

 

アルコール依存症の夫からしてみれば、「君は浮気している」と言っているのに、相手から冷笑されたり、相手にもされなかったら、ますます不安になります。

 

「そんなことしているわけでしょ!」と怒鳴られたりするのは、それはそれで責められる気持ちになるので、受け入れがたいはずだけれど、よくわからない無視のような態度も相手を不安にさせるだけです。

 

ある意味では、私の沈黙の復讐でした。

 

アルコール依存症者は心が病んでいます。アルコール依存症者にとって、私の行動は不可解で、余計に不安にさせるのでした。

 

私はそのことを学んでから、もう、無視したり、冷笑することをやめました。そういった大人気ない行動、相手を黙って攻撃することをやめました。

 

それは、本当に愛のない行動だからです。

 

その代わり、夫が飲んでいようがいまいが、「君は浮気をしている」と言われた時、まともに返事をして対応をしました。

 

私は、夫が言ったことをそのまま受け取らず、「あなたは、今、私は浮気していると思っているの?」と再確認させ、「本気でそう思っているの?」ということを聞き返しました。

 

アルコール依存症とか云々を全部無視して、1:1の人対人の会話をしました。

 

結婚という契約をした者同士がこれほどの信頼関係も築けないようでは、結婚の土台もあったものではありません。

 

私は責めることを一切せず、冷静な口調で、落ち着いて、夫に向き合いました。

 

夫は座っていたので、私も腰を下ろして、目線を揃えて、少し私の方が下から夫を見上げるような位置でした。

 

私は真剣に、「あなたはそう思っているのか、それほど私を信頼できないのか。」と聞きました。

 

「浮気していいなら、浮気したいくらいだわ」などと、意地悪なことを言いそうになるのをこらえて、冷静に、真剣に夫と向き合いました。

 

夫は、自分が言ってしまったことがいつものように冷笑されたり、軽くあしらわれたりするのかと思っていたのか、私が真剣に向き合ったら、今度は何も言えなくなっていました。

 

そして、その後、夫の意地悪な態度や意味不明な言動は収まり、その日とても穏やかに、仲良く過ごせました。

 

私は、これまで、あまりにも理不尽な発言に、自分が傷ついてしまって、冷静な対応ができなくなってしまっていたことに気づきました。

 

一見、冷笑したり、無視したり、夫に言われたことを相手にもしていないように思えますが、ある意味では、そうでもしないとやっていけないくらい、夫に言われたことを、そっくりそのまま受け取ってしまっていたのです。だから、私の心には矢が刺さったままでした。

 

アルコールが入ったら、会話も何もできないから、と夫と向き合おうとすることもできず、一人ですねていました。

 

こんな発言に対して、相手にする自分の方がバカなんじゃないかと思って、頑なに無視していました。

 

でも、それは間違っていました。

 

間違った発言に対して、間違った態度で応答すれば、間違いは間違いのままいつまでも残ってしまいます。

 

そうじゃなくて、一人の人間として、誠意をもって向き合うのです。

 

アルコールに酔いつぶれた、バカな状態になった人が言っているバカな発言、とするのではなく、一人の人間に、真剣に応答するのです。

 

その時、良い方向へ向かう変化が起こりました。

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