アルコール依存症:Noutiブログ

脱アルコール依存症の病気:のうてぃ思考のNoutiブログ

今日1日だけ、依存症者の領域に踏み込まないこと!元アルコール依存妻のうてぃが、依存から自立へライフチェンジを目指す日々。自立して生きることを始めよう。Think Simple。

リマインドはいらない

アルコール依存症者は、酔っ払っている最中に起きたことをあまり把握していません。依存症者に限ったことではなくて、お酒というものの特性上、脳の働きを鈍化させるので、酔いでぶっ飛んで忘れていたということは、普通に起きることです。

 

ただ、非依存症の人によくある一時の二日酔いや、飲み会、宴会とは違い、アルコール依存症者の場合は、日常茶飯事に脳を鈍化させるので、周りにいる家族の人は、本人の発言に右往左往して、疲れてしまうことがあります。

 

今回は、アルコール依存症者に対して「リマインドはいらない」ということです。

お酒に関するリマインドは不要

リマインドというのは、忘れずに言うとか、相手に気づかせるとか、思い出させる・・・とかそのような意味です。

 

たとえば、昨日断酒宣言をした夫が、翌日お酒を飲んだとします。その時家族が、「あれ?昨日断酒するって言ったよね。」と言ったとします。

 

「あれ?昨日断酒するって言ったよね。」⇦この発言は完全にリマインドです。つまり、言っていることとやっていることが違うので、「〜と言っていたよね?」とリマインドしているわけです。

 

まず、前提ですが、アルコール依存症者にとって、言っていることとやっていることが違うのは当たり前です。

 

アルコール依存症者は、お酒のコントロールが効かなくなっています。だから、そもそも、本人が、思っていることとやっていることを一致できなくなっているんです。

 

失業しても、借金だらけになっても、飲み続ける人がいるのはそのためです。

 

常識的にこうとか、自分が痛い目に合うとか、そういうことで話ができるようであれば、そもそも依存症ではありません。

 

だから、話を元に戻すと、お酒に関することで、周りの人から依存症本人へのリマインドは完全に不要というより、そもそもリマインドとしての意味を持ちません。

 

言うだけ、がっくりきてしまうので、言わないようが賢明です。

発言によっては変わらない

次に、こう書くと、「でも、本当に忘れているのではないか?」とか、「そうは言っても、気づかせることで本人が思い出すこともあるのでは?」とか色々思うことが出てくると思います。

 

もし、アルコール依存症者に対して、「発言」によって、「何かを変えよう」と言うことを期待するのなら、本当に地獄に突き進み可能性があるので、その発想を持たないことをお勧めします。

 

その証拠に、アルコール依存の専門病棟に押し込んでも、強制断酒させても、回復しない人が山のようにいます。「発言」どころか、「強行手段」をとっても、相手はなかなか変わりません。

 

それ位、粘り強い病気なのです。(だからNoutiのこのブログでも、一貫して、家族は依存症に対しては無力でも、それぞれが自分自身で変わることはできるし、幸せになることもできることを書いています。)

 

だからと言って、決して家族に発言力がないとか、力がないとかそういう意味ではなくて、アルコール依存症に対しては、効力がないという意味です。

リマインドしないほうがいい

今書いた点は、リマインドをしても意味がないという意味ですが、もう一つ「リマインドはいらない」理由として、「リマインドしないほうがいい」からです。

 

リマインドすると、相手が「できていなかったこと」を目立たせます。

 

もし、相手がアルコール依存症者でなければ、「あっ、リマインドしてくれてありがとう。」となるようなことでも、依存症者の受け取り方は独特です。

 

Noutiはアルコール依存症になったことがないので、どのくらい独特で、厳密にどうかということはわかりません。

 

でも、アルコール依存症が精神の病である以上、彼らは簡単に深く傷ついたり、落ち込んだり、責められたような気分になったり、説教でもなんでもないのに説教と捉えたり、上から目線と思われたり、うるさいやつだと見られたり、もしくは単純に半端ない自責の念に陥ったり・・・などなど、どう捉えられるかは本当に予測不可能です。もうわけがわかりません。

 

どんな風に、リマインドの発言を受け取るか、わからないのです。

 

もしかしたら、普通の人のように、単なるリマインドとして受け取ることもあるかもしれません。

 

でも、お酒に関するリマインドの限り、ほぼほぼ何かしらのインパクトを依存症者に与えてしまうと思ったほうが賢明です。そして、お酒に関する限り、そのインパクトはネガティブな方です。

 

アルコール依存症者は、お酒に囚われています。お酒に囚われている人が、お酒に関することで、敏感に反応しないわけがありません。

 

まして、依存症に陥る人は、元々物事に敏感に反応する人が多いのも事実です。

 

だから、どちらにせよ、リマインドしても意味がないことに加え、リマインドすることはかなりリスクも抱えているんです。

 

そんなリスクをわざわざ「ちょっとした些細なリマインド」をしてあげることで、もたらしたくありません。一言お酒に関することで、リマインドしたくなったら、「リマインドはいらない」と思い出してください。

 

家族以上に十分わかっています。お酒で苦しんでいる当の本人が。何も苦しんでいないように見えたら、何も苦しんでいないように見せないとやってられないほど、苦しんでいると思ってもいいかもしれません。

 

やっぱり、リマインドはいらないです。

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