アルコール依存症の怒りへの対応
アルコール依存症者は、基本よく怒ります。
なんで、怒るかと言うと、我慢しているから。
アルコール依存症者って、色々な感情をたくさん実は持っていて、それを発散することも、思いを行動に起こして実現することもなく(と言うかできなく(鬱症状))、ただアルコールによって気持ちを麻痺させて生きている状態が続いています。
だから、基本は、めちゃくちゃいつも我慢しているんです。
自分に対しても、他人に対しても。
だから、些細なきっかけが、めちゃくちゃすごい怒りになるとかいうのは、依存症者の家族はビビらない方が賢明です。
この病気の特性上、起こりうることだから。
いちいちビビっていたら、本当に身も心も持たないので。
じゃあ、アルコール依存症者の家族がこういう怒りに対して、どうやって対応をしていくの?って考えると、大切なのがこれ。
怒り💢を盛り上げない
です。
依存症者からの怒り自体は起きます。本当、起きます。あまり理屈とか論理とかが成り立たないし、火山の噴火のように突然起きるので、分析しない方がいいです。(分析しちゃうと、迷路になって答えが見つからず、苦しくなっちゃうので。)
家族側は、怒りが起こった時に、『怒りを盛り上げない』ことに集中すれば、怒りは自然とどっかへいきます。(怒られたのに、どっかへ行っちゃうことに家族がまた怒る・・・とかは今はなしね。また別記事で。)
というのは、一人で怒り続けることは難しいからです。
でも、こういうことを言うと、「え?じゃあ、無視するわけ?」「そんな適当に扱えば、余計に怒りをかって、何されるかわからない。」とか思う人もいるかも。
そういう時に、思い出して欲しいのは、アルコール依存症者は何も、あなたが怒り返さないことに、キレているんじゃないっていう当たり前の原則。
フツーに考えて、人間関係において、怒っている人に怒りで返したら、爆発します。クレームを言うお客に、めちゃくちゃ怒ったら、もうヤバイことになります。
でも、だからって、相手が怒っているのに、無視したり、聞かなかったりしたら、それもそれで相手の怒りが更にわいてきます。だって、テキトーに扱われているってわかるから。相手からしたら、ふざけんなってやつだよね。
怒り💢を盛り上げない
っていうのは、何も相手をテキトーに扱ったり、怒っているのに、存在しないかのように無視したりすることじゃないんです。
そう考えてしまうなら、その思考自体が結構、「極端」です。(極端はNG↓)
怒り💢を盛り上げないために、どうすればいいのって考えると、まずは怒ってしまったのが「我慢し続けた結果」なんだから、その怒っている内容から、「あ〜ここに怒っていたんだ(我慢していたんだ〜)」ってことを知る。
これは大切。
たとえば、Noutiの夫は寝る前のエアコンのことにめちゃくちゃ怒っていたことがあって、Nouti的には、冷暖房くらいどうでもいいーって感じなのね。
でも、彼的には、冬なら寝る前に温かい状態とか、夏なら寝る前に冷えている状態とか、めちゃくちゃ重要なのね。リアルに24時間つけっぱなしが理想なくらい。
で、多分、「あっそれいいね」ってなる妻も世の中にはごまんといるわけ。
でも、Noutiは違うの。育ちからなのか何なのか知らないけれど、必要な時につけるって言う感覚がめちゃくちゃ強くあって。冷暖房の費用もかかるし、地球にも優しくないし、あと、この考えが極め付け。つけっぱなし=道楽って感覚がめちゃくちゃあるのよね。
だから、夫がつけっぱなしにしたいってなるとNoutiの思考は「道楽」になっちゃうの。つまり、夫=道楽ね。それで、Noutiは道楽=悪みたいな考えがあり過ぎて、(今はもうそんなにないよ。道楽できるところは道楽ええじゃんってマジで思っている。笑)夫を縛っちゃうわけ。つけるなってね。で、そういうNoutiに夫は反発するのね。もちろん、夫も夫で最初にはそれなりの妥協や我慢もあって・・・。
これは一つの例だけど、もちろん、今の例でもたとえば依存症者本人がNoutiみたいに「こまめに切りたい」人で、家族が「つけっぱなしがええやん」って言うバージョンだってある。
大切なのは、何か二つの異なる主張がぶつかっていって、どっかで我慢が溜まっていること。
で、「あ〜ここに怒っていたんだ(我慢していたんだ〜)」って知ったら、つまり、さっきの例ならエアコンのことね、自分が改められることなら改める。できないことならできない理由を落ち着いている時に、(落ち着いている時に・・・これ重要ね。ご存知の通り、酔っ払いの時に話すのは、ルール違反よ。なぜなら脳が機能していなくて、全く記憶にないから。)に話す。
怒り💢を盛り上げないのは、結局のところ、ちゃんと「怒りの声」を聞くってこと。
アルコール依存症者の家族は、自分の問題や自分の凝り固まった考えを棚に上げて、つい、「はいはい、また起きたのね。」みたいにどこか上から目線で、問題児扱いしているところがあるから。
だから、
1、問題児扱いせず、一人の人間として見ること、2、依存症者が怒った時点で、「すべて終わり」みたいに極端にならないこと、そして、3、「怒る方が悪い」みたいな考えに囚われないこと。
⬆︎これ、重要。
なぜなら、この3つ無視するなら、マジで進まないから。マジで『地獄のアルコール依存症者の家族』みたいなのを再現することになるから。もうやめよう、疲れるから。Noutiもやりすぎて、疲れたから。
だから、1〜3はもうやめよう。
もちろん、昨日の今日で、人なんてすぐには変わらない。依存症者だってそう。依存症の家族だってそう。でも、少しずつ、できることやっていけばそれでいい。変化は雪だるま式。「一瞬に」とかないから。
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ちなみに、ここまで読んでもらった人で、何か自己犠牲とか、結局は自分が変わらなきゃいけないの?とか、何で相手が怒っているのに、自分が改めるの?とか、どこか自分が責められているような気がしたり、そんなことやってられないよ〜!!!って思っている人へ。最後に一言。
相手が怒ることは、自分も怒っていい理由にならない。(Noutiはなると思っていた。本当に思っていたかは知らないけれど、家族に対しては常にそうしていたの・・・。)人生何も、相手となんか競争しながら生きているわけじゃないので。
自分の人生を生きるって、難しいね。