一生向き合っていく

夫のアルコール依存症の問題に、どうにもならなくなって、

家族会に行き始めたり、依存症に関する本を読み漁ったり、

色々な情報を集めて、手がかりを探していたときは、

なんとかこの問題を解決したい

思いでいっぱいでした。

それもそのはず。本当に悲惨でしたから。

解決したいのに、状況が変わらなくなると、

今度は、勉強や集会もあまり意味のないように思えて、

結局、解決法なんてない！と、自暴自棄になり、

この世に全ての希望がなくなったかのように、

真っ暗になっていました。

依存症の家族会等の集会でよく言われることに、

「自分と向き合う」というものがあり、

当事者ではなく、まずは自分からということをよく言われます。

私は基本真面目な性格なので、

言われたことには忠実にと思って、

彼の問題ではなく、まずは自分から、まずは自分・・・

と頭の中に刷り込もうとしていました。

それでも、なかなかうまくいかなかったのは、

その根本に、

まずは自分のことに向き合うことで、

彼が変わるとか、

自分が変わることで、彼は回復するとか、

結局は、表面的に「自分ごと」としながら、

常に見ていたのは、相手のことばかりでした。

だから、表面的には、一生懸命自分ごとに取り組んでいる自分でも、

何か環境の変化をきっかけにすぐにブレてしまって、

自分を失い、相手に振り回される自分に戻ってしまう・・・

というのを何度も繰り返していました。

夫が本当にどうしようもならないようなことが沢山起きて、

もう彼が生きるのか、生きないのか、それを選択するしかないような状態の中で、

私は葛藤をしながらも、手放すことを少しずつ学んでいきました。

何か答えを一つ探そうとしていた時には、絶えず苦しみがついてきましたが、

正解がわからないことに、ちゃんとわからないとできたこと、

何が自分の望みで、何がしたくないことで・・・

そういう自分の心に素直になり始めたこと・・・・

そんな流れの中で、この依存症の問題を通して知った「自分に向き合う」ということが、少しずつ心から自分が取り組んでいきたいことになってきました。

自分の性格のこと、自分の考え方のこと、一生向き合って、一生をかけて探求するし、一生をかけて成長していきます。

それは何も、意地を張った気合じゃなくて、むしろ、逆に、全てを投げ出して、自分のことなんて、自分が一番わかっていないんだからという諦めにまで近い、降参する思いからです。

毎日の中にあるささやかな幸せをちゃんと噛み締めて、見落とすことなく、今日も大切にしていく、それをただ積み上げていく、そんな人生を送りたいと思います。