アルコールは拡張機

アルコール依存症者は、アルコールが入ると人格が変わります。

Noutiはずっと、
「アルコールさえ入らなければ、普通なのに。」
って、アルコールが諸悪の根元であると、ずっと思っていました。

だから、アルコールによって起こりうるありとあらゆる言動に、悲しんでいました。

前にも書きましたが、

nouti.hateblo.jp

アルコールって、結局、麻酔で、あらゆる感覚機能を麻痺させるものなんですね。

で、麻痺させる時に、合わせて出てくる機能が、

拡張機

です。

小さなきっかけを

✖️１００

で、大きく捉えます。

小さなイラっも、
✖️１００
になります。

ささやかな悲しみも、
✖️１００
になります。

ありとあらゆる感情を拡張させるのがアルコールです。

だから、家族は、真面目に見ちゃうと、
「そんなことで何でそんなに怒られんといかんの！！！！？？？」
とか、
「何でそんなに横柄なの！！！？？？何様だと思っているの！！！？？？」

とか、

一度ことが起きると、相手の拡張された感情に振り回されちゃうんですが、
実は、アルコールによって拡張されていると分かれば、

「あ〜１００倍されているんだな。」
ってわかります。

そしたら、それが１００分の１になったら、
「あ〜つまり、このことに嫌な思いをしたんだな。」
ってなります。

根元がわかります。アルコールはただそれを増幅させた、
ベイキングパウダー（膨張剤）なので。

何でもかんでもアルコールのせいにしちゃうと、
家族は「怒っている」そのものに注目しすぎちゃって、
（というのもその怒りがあまりに劇的なので）
それを引き出した些細なきっかけを無視してしまいがちです。

そうすると、結局わからずじまいで、
互いに嫌な思いをして、
その時間は過ぎ去って、
不完全燃焼の悶々とした思いだけを抱えることになってしまいます。

アルコールは拡張機です。

怒るにせよ、泣くにせよ、
バカじゃないから、ちゃんと原因はあります。

それをスルーし続けて、
「あ、また始まった。」
「あ、またアルコールのせいね。」
ってしちゃうと、堂々巡りです。

拡張されているってことは、
元の小さな種があるんです。

冷静の時は、たかだか小さな種で済む話です。

でも、アルコールが入ることで、
何でもかんでもドラマみたいになっちゃうんです。

「実は拡張されているだけだったんだ」
とわかるだけで、随分冷静になれます。

家族はあくまでも、拡張された声じゃなくて、
その小さな種に気づきます。

拡張された声を真実に思って、いつまでも振り回されるのが、
共依存で、地獄です。

割り切っちゃってください。

所詮、アルコールの症状が出ているだけだから。
抜けたら冷静になります。