依存症は「シラフが病人」
Noutiがずっと夫に断酒して欲しいと思っていた時、
「断酒さえすれば、よくなるのに。」
っていう考えが頭の片隅に絶えずありました。
Noutiの中の時間軸は、すごく短い間隔で、
断酒=よくなる
みたいな条件式がずっとありました。
(アルコール依存症の断酒の時間感覚については、
この記事で書いています。)
Noutiが以前、ずっと持っていた感覚は、
実はかなり間違っていて、
断酒=よくなる
どころか、
断酒=やばくなる
と言うことがわかりました。
何がやばくなるかというと、
離脱症状です。
ずっとアルコール漬けになっていた人が、
断酒をすると、アルコールを飲んでいた時の方が
よほどまともなくらい、
病人みたいになります。
立っていても、倒れそうになったり、
スズメの食事くらいにしか食べられなくなったり、
嘔吐と下痢を絶えず繰り返したり、
全く排便がうまくいかなくなったり、
これが極め付け。
睡眠障害を引き起こし、ほぼ徹夜状態になったり・・・。
特に、アルコールがないと眠れなかった人は、
ほぼ致命傷です。
ほとんど徹夜状態になるので、
まったく休めません。
身体は絶えず疲労状態です。
自宅で、離脱症状をやりきるのは至極難しいことだということが
わかります。
だから、3ヶ月くらい入院する人も沢山いるんです。
依存症者が突然シラフ状態になったら、
最初の数日は特に、見るからに病人になります。
だから、そこで家族の感覚って結構ズレていたってわかるんです。
家族はずっと、
「お酒さえやめてくれれば・・・」
って思っていました。
でも、その時間感覚が、あまりにも依存症本人とかけ離れていて、
その後に起きる「険しい山道」も、
まるで「お花畑みたいな感覚」になっちゃっているから、
言うこと為すことがトンチンカンなことになってしまうことがあるんです。
意識の違い
です。
断酒は全然ゴールではありませんし、
断酒をし始めると、恐らく見た目の症状は随分と悪化します。
アルコール依存症者と足並みが揃っているだけで、
随分、無駄なことを言わなくて済みます。
随分、期待の裏切りみたいなのもなくなります。
断酒は何も勝利ではありません。
勝利に向けた切符を手にしただけなので、
そこから長い旅路がスタートするんです。
すぐに結果を求めてしまうのは、
プレッシャーにしかなりませんから、
長い目で見てあげましょう。