【メッセージから】治療をして欲しいです。 どうしたらいいですか?
メッセージから。
私の夫もアルコール依存症だと思います。 仕事のストレスからお酒をたくさん飲むようになりました。 最近は在宅勤務で、朝からずっと飲んでいます。 勤務中だと思われる昼にもお酒がなくなると買いに行って泥酔状態になって帰ってきます。(9%のストロング系サワーを7本買ってきます) そして、寝ます。 会社の人も気付いているかもしれませんが、どう助けを求めたらいいかわかりません。 何度も病院へ行こうと諭しましたが、行ってくれません。 治療をして欲しいです。 どうしたらいいですか?
Kさん、コメントありがとうございます。
今回メッセージをいただいた方は、文面から、アルコール依存症初期?もしくは、まだアルコール依存症の疑い段階と思うので、順番に丁寧に回答いたします。
私も恐らく、アルコール依存症と思います。その根拠は、
☑︎朝からずっと飲んでいる
☑︎お酒がなくなると買いに行く
☑︎泥酔状態になるまで飲む
☑︎勤務中でも飲む
からです。
配偶者の立場として、依存症かどうかはさておき、相手は「アルコール依存症」と思って、生活していった方が安全と思います。
アルコール依存症と診断されたとかされていないとかは関係なく、アルコール依存症と認識することで、少しでも冷静な対処ができるように近づくからです。
どう助けを求めたらいいかわかりません。
この点については、まずは、自分自身が、「アルコール依存症者と生活をしている」という点において助けを求めてみてください。
文面からだと、どちらかとうと、「アルコール依存症を治すためにどう助けを求めたらいいかわからない」という風にも読み取れますが、ご存知の通り、アルコール依存症はコントロール障害であり、本人すら、やめたくてもなかなかやめられない病気です。
アルコール依存症と判明して、間もない頃は、家族はどうしても、「どうしたらこの病気を治すことができるのか?」「どうしたら夫(アルコール依存症)に治療に専念してもらうことができるのか?」をしきりに考えがちです。
が、この考えが、時に地獄の扉をも開きかねない危険な思考になりうるので、今の段階は、焦らず(絶対に焦らず)、まずは、自分自身がアルコール依存症者と生活していることに対して、助けを求めてみてください。
助けを求める機関としてはいくつかあります。
☑︎アラノン(コロナの影響で、実際に集会をしているのかは不明ですので、ホームページ等で、事前に確認してみてください。)
☑︎保健所(依存症の相談窓口が各市町村にあります。わからなければ、総合窓口から、探してもらえます。)
☑︎市役所のアルコール依存症の相談窓口
☑︎精神科(自分自身がうつ症状や、ストレスに病んだでしまっている場合に冷静に自己分析できます。Noutiはオンラインの精神科でアドバイスをもらったことがあります。)
☑︎AA(AAは、アルコール依存症からの断酒のための集会ですが、家族や関係者も参加できる集会もあります。)
こういう機関に、「夫をどうすればいいか?」ではなく、「私は、今こんな状況の夫と暮らしている。この先が不安で仕方がない。どうすればいいか?」と助けを求めてみてください。
役所関連は、時に、マニュアル的な回答しかくれず、あまり役に立たないこともあるので、その場合、担当者を変えてもらうか、別の機関を紹介してもらうなど、してもらったほうがいいです。
役所そのものに、理想な助けは期待できなくても、やはり公的機関は、様々なつながりを持っているので、そこから情報提供をしてもらったり、紹介してもらうこともできます。だから、変に遠慮したり、諦めたりしないほうがいいと思います。
何度も病院へ行こうと諭しましたが、行ってくれません。
「行ってくれません」が普通です。
(Noutiのブログを今、読んでくださっている中で、逆にすんなり病院に行ってくれたとか、病院関連でうまく誘導できたという人、その他病院関連で何かある方は、ブログ下からコメントを投げていただいて、Kさんへ教えてあげて欲しいです。どうぞよろしくお願いします。)
アルコール依存症は、「否認」の病気です。本人が自分は病気であることを否認します。だから、治療が正直とても難しいのです。
アルコール依存症の夫で苦しんでいる人から、Noutiはよくメッセージをいただきましたが、すんなり病院に行って、すんなり治療を受けて、治りましたなんて、正直、ほとんど聞いたことありません。
依存症というのは、言葉通り「依存」ですごく根が深いのです。
イメージとしては、手から血が出て、どう考えても、縫合が必要なのに、「大丈夫。血は流れていない。」って言って病院に行かず、血を1日中、流し続けているようなイメージです。
周りの人からみれば、明らかに「バカじゃないの!?」って思うことを、平気で正当化し、やり続けているのがアルコール依存症です。
だから、確かに苦しいけれど、「何度も病院へ行こうと諭しましたが、行ってくれません。」の方が、まずは普通だということを受け入れてみてください。
そして、その次に、何度も病院へ行こうと諭しましたが・・・の諭すタイミングですが、必ずシラフの時になっているでしょうか?
泥酔状態の時に、何を言っても全く意味がありません。
泥酔ではなくても、酔っ払いの時に、まともな話をやり続けると本当に精神がもたないので、何か真面目に会話をしたいと思った時は、必ず、必ず、必ず、お酒が抜かれている状態の時にしてください。
正直、Noutiの夫も、朝から夜まで酒漬けの時は、
「そんなシラフのタイミングすらない!!」
って思っていたこともありました。
しかし、それでも、ちゃんと観察していれば、タイミングはあります。
ほんのわずかかもしれないですが、話せるタイミングはあるんです。
そのタイミングに、「重い話」をするようにしてください。正直、家族にとっては、重い話でもなんでもなく、「当たり前の話」かもしれませんが、アルコール依存症にとって、アルコールを抜くための話というのは、家族が想像している上にかなり「重い話」です。
そして、次に、
何度も病院へ行こうと諭しましたが、行ってくれません。
にある「何度も」をやめてみるようにトライしてみてください。
アルコール依存症者は、話は聞いています。適切なタイミングで適切な表現で、適切な声のトーンで、話をするなら、アルコール依存症者は聞いています。
なので、「何度も」は不要です。
と言うより、ちゃんと聞いているので、「何度も」はしないほうがいいです。
「何度も」は、単純に「しつこさ」「強制感」にとって変わってしまいます。それらがアルコール依存症者に更にプレッシャーを与え、苛立たせます。
だから、「何度も」はやめて、ちゃんとしたタイミングで、ちゃんと話をすると言うことを心がけてみてください。
そして最後に。
治療をして欲しいです。 どうしたらいいですか?
ですが、ここまで書いてきて、全て覆すようなことかもしれませんが、治療は簡単ではないです。
もし、断酒後どのようになるのかあまりご存知でないのであれば、Noutiは断酒関連の記事を書いていますので、ブログの右側にある検索欄から、「断酒」と打っていただいて、記事を読んでいただけたら嬉しく思います。
アルコール依存症者にとって断酒とは、本当に別世界の始まりなんです。
はたから見たら、それは素晴らしいことかもしれませんが、長らくアルコール漬になっていたり、辛いことも嫌なことも全部アルコールの力を借りて、アルコールで流し続けてきた人にとっては、本当に最初は過酷な世界なんです。
だから、治療は決して簡単ではないです。
誤解がないように伝えると、治療自体は手段もあり、専門医もいて、社会インフラ的に整っているけれど、そこにたどり着き、長らくの離脱症状に勝ち抜き、完全に治療をしきるということは簡単ではないという意味です。
でももしかしたら、今はまだアルコール依存症の疑い段階で、かなり初期の段階かもしれないので、焦らず、依存を進めない努力をしていくことで、うまく治療へ結びつけられる可能性も高いです。
なので、治療につなげていく努力というのは、すごく大切になってくると思います。
ただし、これも本人の選択があって初めてできることです。
家族からの強制入院で、退院後、即飲酒に逆戻りなんてことはよくある話なので。治療をして欲しいけれど、周りが家族が治療を促してもうまくいかない病気なんですね。
だから、まずは、今できることは、アルコール依存症と言う病気を、
本人以上に、周りの家族がよく理解して頂き、
そして、アルコール依存を更に進行させるような影響を与えることを避け、
アルコール依存症者の心のどこかに「健康な部分」が残っていますから、本人の回復を信じることです。
あまり具体的なことでなくて、ごめんなさい。
でも、Noutiは妻の立場の気持ちは痛いほど感じるし、現実問題、Noutiも全て同じことを経験しました。
メッセージの文言をそのまま借りるなら、
Noutiの夫も、仕事のストレスからお酒をたくさん飲むようになり、休日は、朝からずっと飲んでいました。勤務中だとバレるので、ペットボトルに入れていたそうです。Noutiの夫の場合は、お酒がなくならないように、沢山持っていっていました。夫は、泥酔状態になって帰ってくることはなかったですが、家に帰ったら、泥酔状態になるまで飲み続けました。9%のストロング系サワーを7本以上、買ってきて、それに焼酎もプラスして飲んでいました。 そして、寝ていました。 会社の人も気付いているかもしれませんが、どう助けを求めたらいいかわかりませんという思い、何度も経験しました。
ほとんど同じです。
大変ですが、それでも乗り越えられます。
大変ですが、希望はあります。
共に戦い抜きましょう。