アルコール依存症:Noutiブログ

脱アルコール依存症の病気:のうてぃ思考のNoutiブログ

今日1日だけ、依存症者の領域に踏み込まないこと!元アルコール依存妻のうてぃが、依存から自立へライフチェンジを目指す日々。自立して生きることを始めよう。Think Simple。

アルコール依存症と毎日喧嘩

アルコール依存症の夫と毎日バトルを繰り返していた日々の時は、私は世の中の夫婦は、喧嘩というものがあるのが当たり前で、そして口論があるのも当たり前で、男女がぶつかり合うのは当たり前だと思っていました。

 

夫婦仲が非常に良くて、喧嘩もほとんどなくて、そして毎日毎日穏やかに過ごしているような人の話を聞くと、それは一部の見せかけだけ、そんなものは存在するわけがないという風に思っていました。自分があまりにも惨めだったから、拗ねていたんだと思います。

 

夫がアルコール依存症の真っ最中だった時に、実は私たちは引っ越しをしているんですね。マンションの一室から一軒家暮らしに変わりました。

 

家も広くなって、この当時のことはブログにも書いていますが、部屋が複数できたことによって、夫との物理的な距離ができやすくなったんです。1階と2階というくくりができたことも非常に良かった、そのようなことを書いていたと思います。

 

私は今でもこの引っ越しすると言った時の自分の心情を覚えてるのですが、私は何を勘違いしたのか、「これで物事は良くなる」という風に強く思いました。

 

というのも、そのマンション暮らしの中であまりにも出来事がありすぎて、何度ドアが破れ、何度壁が破れたかわからない。こんな事態になるのは、こんな狭い部屋に2人で暮らしているからだ、小さな空間にいるからだ。挙句の果てには、この建物が建つ何10年か前は、何だかよからぬ火事があったらしいだとか。そんな不吉なニュースを聞き入れては、それだからよくないことが、私たちにも及んでるんだとか、もう訳の分かんないことまで考えていました。

 

当時の私というものは、「自分が変わる」という発想まったくなくて、環境が変わること、周りの状況が変わることによって、どんな風にでも物事は良くなるという風に考えていたんですね。

 

おそらく私の引っ越しに対する希望というか、そのワクワクは夫にも伝わったのでしょう、その時何かしら夫との会話の中で夫に言われた一言が、今でも覚えています。

 

新しい家に引っ越しても、住む人が変わらなければ何も変わらない。

 

夫はこの言葉を私に言ったんですね。私はこの言葉を聞いた時に苛立ちを覚えたのを覚えています。

 

それはまるで私の中で描いている、新しい家に移ることで、場所が広くなって、いろんなことができようになると、夢を描いてる自分に、毒を入れるかのようなそんな言葉に聞こえたんです。

 

そして、もう1つ私をひどく怒らせたのは夫のこの言葉は、

 

新しい家になったところで、僕はお酒を飲むことはやめない

 

と言っているように聞こえたんです。もちろんそんなこと、夫は言っていないんです。私のただの自己解釈です。言っていないんですけれども、そのように言っているように聞こえたんです。

 

マンションに住んでいる時でも、夫は何度も何度も断酒を試みていました。アルコール依存症にはよくあることですけれども、彼らは基本的に病気に苦しんでいるので、いつでもやめられるならやめたいと本当は思っているんです。

 

そして、もちろん新しい家に行っても、当然やめたいという気持ちが消えることはありません。

 

誰だってこんな病気に苦しみたくないんですね。完全に依存症というものは、アルコールに取り憑かれてしまってるわけですから、もはや美味しくて、好きで飲んでるっていう域を超えているんです。

 

だから今冷静に夫の言葉を聞くなら、環境は私たちを変えてくれない。私たち自身が変わらなくてはならないという。ただ、その夫の思いは、それだけだったんですけども、私は敵意にしかとれなかった。それほどにまでアルコールに対して、憎悪の目を持っていたのだなと思います。

 

そしてもう一つは、変わる必要があるのは

 

あんただろ!!!!

 

この思いがあまりにも強すぎて、自分が変わる必要性を全然見えていなかったんですね。

 

さて、新しい家になってから、もちろん一時的な気持ちの高揚はありましたし、自分の部屋がしっかり確保できたこととか、夫との物理的な距離ができたこととか、そのことに喜んでいた時期はありましたけれども、夫の言葉通り、当然問題は起きてくるわけです。

 

今振り返るとマンション暮らしをしていた時と、ほぼ同等いやむしろそれ以上の出来事が新しい家でも起きました。

 

何度も壁は壊れましたし、ガラスも壊れましたし、いろんなものが破壊されました。また2階ができたことによって、階段があったため、これもブログに書きましたけれども階段からの落下事件だとか、もはやマンション暮らしの方がよほど安全だったんじゃないかと思うぐらいに、命の危険に及ぶような出来事もたくさんありました。

 

結果、私の引っ越しに対するワクワクなどというものは数ヶ月も持たずに完全に消え失せてしまい、今度は、こんな家から早く出たい、そんな思いがまたやってくるようになって、結局マンションに暮らしていた時とほとんど何も変わりませんでした。

 

自分を変えることなく、環境を変えるということは、私は何度もやってきたと思います。

 

それは夫との関係だけでなく、自分自身のこともそうなんです。例えばこの友人と合わないという風に思ったら、自分がどのような関わり方をしてきたんだろうとか、どのような反応してきたんだろうとか、そんなことを考える代わりに、バッサリとその友人関係を切ったりとか。

 

あとはこの仕事が面白くないという風に思ったら、どんな風に働き方を変えられるだろう、どんな風にこの会社で貢献することができるだろう、どんなふうにやる気を出すことができるだろう、など考える代わりに退職を考える。

 

とにかく周りを変える、環境を変える、その事ばかりをしてきました。結果的に何も変わらない。自分がどこへ行っても同じ問題を引き起こすだけでした。

 

何度何度も何度もやって、そして極めつけが夫との依存症問題でそれでようやく、自分は自分に戻れたというか、1番面倒くさい、1番やっかいで、1番時間のかかる自分自身が変わっていくということに、ようやく取り込むようになったんだと思います。

 

アルコール依存症は本人が断酒に取り組まない限り治ることはありません。同じように家族も自分自身の問題に向き合わない限り、夫との関係性、自分自身との関係性を改善することはできません。

 

依存症者の本人が生涯に渡って、このプロセスを続けていくのと同じように家族も生涯に渡って自分自身を磨き上げていくというか、回復していくというか、反省して改めるところを改めていくというか、そのプロセスが続くのだと思います。