アルコール依存症は自分のしたことを覚えてないということについて
私の夫は現在飲酒をしていません。お酒が家に全くないし、アルコールに関する問題も一切ないです。
アルコール依存症で暴れていた日々が随分昔のようにも感じますが、それでもふと思い出すとつい最近のようにも思い出すことがあります。
それで昨日ふと思ったのですが、私の夫は食べ物に関して好き嫌いがあまりないんですね。私はこの間、麻婆豆腐を作ったんですが、失敗して、おいしくないんですね。はっきり言うと、まずいです。
あまりにもまずいので、私は多分相当まずそうな顔をしていたんだと思います。でも夫はそれを全部食べました。そしてこの後夫が言った一言に私は強烈にびっくりします。
びっくりしすぎてはっきりと言葉が覚えていないので、思い出しながら書きますが、多分こんな言葉を言ったと思うんです。
僕は基本出されたものは全部食べるよ。
この言葉は確かに事実なんです。夫をアルコール依存症の病気を克服してから、私の料理にケチをつけずに常に全部食べます。
外食に行っても私があまり美味しくないと思ったものもしっかり食べます。私は正直全然好き嫌いがない方です。しっかり食べる人なのですが、それを上回る好き嫌いのなさがあります。
だけど、その言葉を言われた時に、「それは違うだろう!」って思ったのと同時にあやっぱりアルコール依存症って病気だったんだっていう風に思ったんです。
どういうことかと言うと、夫が現役のアルコール依存症で飲み続けていた時に、私が料理を作っても食べないなんてことは、本当に日常茶飯事にありました
大げさじゃないです。日常茶飯時です。
そして食べないならまだしも、ひっくり返すなんてあったんです。ドラマみたいにちゃぶ台をひっくり返すシーンがあるじゃないですか。そんな感じです。もう料理が床にばら撒かれるような感じです。
もしかしたら昔のブログに書いたかもしれませんが、以前グリーンカレーを作ったことがあったんですね。無印のグリーンカレーです。そして、無印の原料を買って初めてナンを作ったんです。でも初めてだったから全然うまくいかなくて。
何というかただのパンみたいになってしまったんです。そしたらこんなのなんじゃないとか言ってなんかもうゴミ扱いされたんですね。
そういう記憶、全部忘れればいいかもしれませんが、覚えてるんですよ。で、そのことを思い出しました。
それと同時にアルコール依存症の人ってお酒で酔っ払ってる時って脳が働いていないですよね。だから私たちは常にシラフだし、家族は常に見ているんですけれども、彼らって忘れてるんですよ。
ある意味幸いなことです。ものすごく悲惨なことをして、私はものすごくはっきり覚えてることも夫は忘れてるんですね。
酔っ払いの特権だなと思います。
私はお酒に酔うということが人生で一度もないので、記憶を失うとか全く分からないんですけど、彼ら達はそれができてるんです。
もちろん、お酒の問題によって様々な問題を引き起こし、その問題と直面しなきゃいけないから、その直面した問題は覚えてるかもしれませんが、その瞬間瞬間に行った言葉とかやった行動とかって忘れてるんですね。
すごいなと思いました。
アルコール依存症の夫の回復というのは、アルコール依存症の夫を抱えた妻の回復よりも、この記憶がないという部分が助けてくれて、なんかよっぽどスムーズにいくんじゃないかなという風に思いました。こんなこと言ったら、アルコール依存症法人で回復中の方にとても失礼かもしれませんが。
私は今でこそいろんなことをそこまで綿密には覚えていませんが、それでもやっぱり強烈な経験というのは覚えています。
このブログ2018年頃に開設しました。その頃に書いたエピソードとかかなり強烈なものがあると思います。正直読んでひくのもあると思います。
そういう記憶って簡単に消えないというか、もちろん日々思い出すことはないけれども、フッとした時に思い出すことがあるんです。
でも、アルコール依存症者は自分が食べ物を拒否したことも覚えてない。すごいなと思いました。
今、アルコール依存症の夫を抱えている妻の方に伝えたいのは、私たちが覚えてることも相手を覚えてないっていうことは結構あったりします。酔っ払ってるからです。
それって考え方によると結構ムカつくかもしれませんが、でも考え方によると私たちがそもそも何に怒って、そもそも何に怒ってるのかも?本人は分かってないってことがめちゃくちゃあるっていうことなんですよね。
そう思うとなんだか相手にするのもバカらしくなってきて、まともに怒るのもアホらしくなってきます。
だから話半分で真面目になりすぎないっていうのはすごい大切と思います。
本人すら記憶にないこと山のようにありますから。