アルコール依存症に対して、辛いんですアピールが全く効かなかった話
今回は、自己憐憫が全く効果なかった経験を紹介します。
私がアルコール依存症の夫と関わる中で、自分が死にそうになって、自分が苦しくなって、自分が地獄いるような世界を経験しました。そして、夫がアルコール依存症だということが分かった初期の頃に、よくやったこと。
それは、私は、かわいそうなんですアピールです。
夫もアルコール依存症の病気の進行が、それほど進んでいない時には、このかわいそうなんですアピールはかなり効果を持ちました。
当時、私と夫は結婚前で、まだ別々に暮らしていて、私のかわいそうなんですアピールを聞いて、私の家に飛び込んできてくれて、私を慰めてくれたりとか、僕はもうちょっとしっかりしますとか、言ってくれたりしたんです。
思い返してみると、私悲しいんです。辛いんですという思いを表現したのは、その次に続くのが、心の中では、
だから攻撃しないでね!
っていう。その態度があったんです。攻撃というのは心理的な攻撃です。
何か自分が悲しくなるようなことをしないでね。
というそういう意味です。私は依存体質を持っていたので、とにかく人の感情に振り回されていました。
でも、アルコール依存症って、私の想像をはるかに上回ったんです。
私がめそめそしていて、辛い顔をしているとします。そうすると、どうなるかって言うと、夫が暴れだすんですよ。
ふざけんな!
って顔して、本気で怒り始めるんですね。だから私は、
え??!?
ってなってしまったんです。
普通だったら、私つらいんです。悲しいんです。惨めなんです。という風にしていたらそうだよね。そっとしといてあげようとかいうふうになってもいいと思っていたんですが、全然ならなくて、それを上回る攻撃がやってくるんです。私はびっくりして、
あ!この私かわいそうなんです。悲しんです。アピールって全く意味ないんだ
ってわかりました。
それと同時にわかったのが、アルコール依存症の人ってすごく苦しんでいます。苦しんでる人って、さらに苦しんでる人を見るのって、決して心地いいものではないんですね。
もちろん全部分かってるわけではないですが、今は何となくふざけんなよ!っていう、そのふざけるな!っていう気持ちがなんとなく分かる感じがします。
アルコール依存症の症状っていうのは、コロコロ変わるし、確かに日によっては、悲しいんです。かわいそうです。辛いんです。アピールした時に、夫が慰めてくれたというか、同情してくれた時もあったんです。
けれどもこのふざけんな!の切り返しは強烈すぎて、私の中で自己憐憫もうやめようとすごく思った瞬間でした。