飲酒量のチェック:まるでもっと、苦しみたいようなことしていました。
私は、夫が飲んでいた頃に、「苦しみたくて苦しんでいるような行動」がいっぱいありました。
その一つを今日は紹介したいと思います。
それは、飲んでいるお酒の量をチェックするということです。
今でも覚えているのが、夫は飲酒量が増えてくると、焼酎からアルコール度数の高いウイスキーに変わります。
ウイスキーは 30cm ほどの高さの大きな瓶です。
私は瓶に油性マジックで線を引きました。それほど大きな線ではなくて、目立たない線です。
夫は酔っ払っていましたので、線には気づいていなかったかもしれません。
そして1日の終わりに、自分がつけた線を見ました。
そしたらその線から、かなり量が下がっていました。もちろん見る前から、下がっているだろう、ということはわかっていたんです。
でも、 自分が想像していたよりも、はるかに下がっていました。
当たり前ですよね。
だって飲んでいるんですから。
だってアルコール依存症ですから。
だけど私は、その線を見て失望したんです。
がっかりしました。悲しくなったんです。
そしてため息をついて、人生に対して絶望モードを開始しました。
絶望モードが開始されると、
その後は何もかもやる気がなくなって、
そして未来に対する妄想スイッチを起動し始めます。
そしてこの人と一緒にいて、自分の人生はどうなるんだろうか?
などと考え始めました。
そんなことを考えても、何も生産的なことは、思い浮かばなくて、
ただより、もっともっと深く絶望的になれるというだけでした。
夜になって、寝る時間になって、
寝ることにも不機嫌で、ベッドにはすごく不機嫌な顔をして、入っていたと思います。
夫が飲んでいる時は、本当に不機嫌依存症みたいに、毎日毎日不機嫌になることをしていました。そして不機嫌のままベッドに行って、寝ていたら朝になったという感じです。
毎日毎日夜が来て朝が来るというのは、アルコール依存症にどっぷり影響を受けていた 私にとって、本当に幸いなことでした。
なぜなら寝るということを通して、気持ちがリセットできて、朝になって新しい1日が始まると、じゃあ今日も頑張ってみようかという気持ちが起こされるからです。
私は幸いにも寝れましたし、 私は幸いにも、朝になると気持ちが切り替わるということができてたので、本当に救われました。
もしそうじゃなかったら、病気になっていたと思います。
アルコール依存症という大変な病気の中で、毎日毎日生きてこられたのは本当にこの太陽と言うか、地球というものが回っていて、ちゃんと朝が来て、夜が来て、というのを繰り返してくれるからだったとすごく思っています 。
もし朝が来なかったら、 夜が長すぎたら、本当に立ち直るきっかけが全く与えられないので、どこまでも絶望していたと思うんです。
でも、ここまで書いて、読んでくださった方は、かなりおかしな話だと気づくと思います。元を正せば、私がボトルに線を引くということが、根本的な誤りでした。
何のために線を引くのか、理由が全くないんです。そして何のために線を引いたその結果を見るのか、理由が全くありません。
アルコール依存症だから飲むのは当たり前なのに、線を引く理由 が全くないんです。
でも私は線を引いたわずかな理由を、自分で知っています。これです。
もし、線から量が減っていなかったら、私はめちゃくちゃ嬉しい。
いちかばちかでも、その嬉しい感覚を味わえるかにかけたい!
です。本当にこれでした。
なんて言うんだろう 宝くじに当たるような確率。
アルコール依存症前にして、アルコールを飲まないというのはありえないことなのに。
もっと、別のところに望みを置けばよかったのに。
もっと 別のところに嬉しい感覚を味わおうとすればよかったのに、できませんでした。
お酒やめてほしかった!その気持ちでいっぱいでした。
普通に考えて、線をつけて、チェックして、絶望するなんて・・・。
自分を傷つけたくて自分を苦しめるためなら何でもするような行為です。
アルコール依存症がお酒を飲むことは当たり前のことです。
悲しいけど、当たり前。だって、アルコール依存症だもん。
アルコール依存症が、お酒を探して、お酒を飲むことは、本当に当たり前のことなんです。
それなのに、線を引いてそしてその線からどれだけ減っているかを見て落胆する。
まさに本当に自虐的で、自分の幸せに全然直結しない行動をしていました。
でも、そんな自分を赦します。当時は当時で、必死だったから。