生きていることが奇跡:アルコール依存症は生死を彷徨う病気
私の夫はアルコール依存症という病気になってしまい、そして回復しました。
依存症からの回復は、奇跡だと思います。
私はアルコール依存症の渦中で、本当に病気の症状がひどい時に、何度も夫の死を覚悟しました。
時には、私自身があまりにも精神的に疲弊してしまって、自分自身が消えてなくなってしまいたいような気持ちにすらなったことがあります。
前回、「ウォルト・ディズニーの約束」という映画を紹介しました。
ネタバレとか、配慮せずにここでは書きますが、この映画の中に出てくるシーンの中に、アルコール依存症の夫を抱えた妻が、自殺未遂をしようとするところがあるんですね。
私には、彼女の気持ちが痛いほど伝わってくるものがありました。
どうして子供もいるのに、そんなことできるの!?と周りの人は思うかもしれないけど、でも本当に消えてしまいたくなるほど、つらいという思い、この病気を通して経験しました。
明石家さんまさんが、日航機123便に乗り損ねたということをきっかけに、「生きてるだけで儲けもん」というような言葉をおっしゃったのを、テレビで聞いたことがあります。
私にとってその言葉は、夫がアルコール依存症から回復して、毎日生活を送っている中で日々感じるようになりました。
私の夫が生きているということは、本当に奇跡です。そして、ただ生きているだけでなくて、元気に生きて人生を楽しもうとしている。
生きているだけですごい!そのような感覚が与えられたのは、大きなギフトだったと思います。
もしアルコール依存症という病気に出会わなかったら、自分が生きているというのを、当たり前のようにして、あまり感謝もせず、日常にある素晴らしさにも気付かずに、生きていたようように思います。
私は、アルコール依存症という形ではないですが、喪失の経験があります。
私の夫が亡くなっていても、本当におかしくなかったという状態でした。生きるか死ぬか、紙一重。本当にどっちになってもおかしくないというのを、心がおかしくなるほどに感じました。
アルコール依存症という病気はとても怖い病気です。
癌と同じくらい本当に大きな病気なんです。なぜか癌や結核と違って、本人のせいというふうにしてしまいがちです。でも、普通にアルコールが飲める人もいる中で、アルコールにコントロールされ支配され、ガチガチに体を鎖で巻きつけられるような感覚を日々味わう病気というものは、本当に心苦しいです。
だけれども、たくさんの理解もあるし、助けもあります。
奇跡の夫とこれからも生きていく予定です。
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