市の相談窓口に連絡したら・・・
こんにちは。noutiです。
私は以前、夫のアルコール依存症の問題に苦しみ続けていた時、電話ならと思って、市の相談窓口に連絡したことがあります。
行政の窓口の人にとっては、今までと変わりなく鳴り響く電話の音に違いないけれど、私にとっては、通話がつながるまでのわずかな間ですら、緊張が走っていました。
第3者にアルコール依存症の問題を伝える・・・この事実は、私にとって、かなり大きかったです。
電話に出た人はとても感じが良く、何をどのように話したかは全く覚えていません。
でも、結局電話をして、私の心に残ったのは、
「病院へ連れていきましょう」でした。
「安全運転をしましょう!」「シートベルトをしましょう!」ではないんですけれど・・・。
私にとってはそのレベルの回答でした。
でも、だからって何も言えない。もちろん全うな意見・・・。
しかも「まずは」と・・・まるで、その次のステップに夢のようなものが続くかのように、「まずは」・・・病院へ行く・・・。
私にとって、「まずは病院へ行きましょう」という言葉はこんな感じ。
例えば、喉が渇いて、死にそうになっている人が、声がカラカラになって、水をくれと人に助けを求めている時に、その相手から、「ごめん、何を話しているのかわからないから、まずは水でも飲んでから話してくれる??」と言われるようなもの。
まずは・・・とあたかも初歩的なステップかのように捉えるのは、あまりにも難しいのが、私にとって、「病院へ行く」ということでした。
アルコール依存症のことで本当に悩んでいた頃は、それこそ私もヒステリックになっていたので、夫の病気の進行を進めるような手助けを結果的にはしてしまい、夫も私も泥沼状態でした。
アルコール依存症の典型的な行動である「否認」がウロウロしていたから、病院に行くどころか、それこそ「アルコール依存症」なんていう言葉もなくて、「アルコールに問題がある」とさえも認められない状態でした。
病院は、問題があるから行くところです。
自発的に病院に行くなんて、健康診断か、予防歯科くらいです。
ちなみに私の夫はアルコール依存症専門の病院に入院していません。だから結局どんなことをするのかは知りません。
でも、間違いなく言えるのは、アルコール依存症は、「血が出てしまった。病院へ行きましょう」のような類いのものではないということ。健康診断に、アルコール依存の疑いがあると書かれようが書かれまいが、意味をなしません。
見て見ぬ振りならまだいい方で、一つでもアルコール依存症者に問題があるようなことを本人に言ったり、書いたりすれば、破りちぎってゴミ箱行きです。
もしも、病院に行って治るのであれば、みんなが行くし、精神科にかかって治るのであれば、みんなが行きます。
「病院に行くことすらできない」病気でもあるんです。
私はアルコール依存症の問題は、経験した家族以外は、本当の意味でこの地獄を理解できず、本当の意味で理解しようとはしないと思います。
今日のブログで伝えたかったことは、何も市の相談窓口を批判したいわけでもなく、ただ、アルコール依存症という問題は、それを経験していない人に相談しても、その時にはまるでピント外れな答えを得ることがあります。
でも、もちろんアドバイスしている人は、何にも悪くないんです。ただ、アルコール依存症の家族がピント外れなアドバイスに振り回されたり、それによって「やっぱり誰も理解してくれない」などとは悩んでほしくありません。
アルコール依存症の惨事は実体験なしに理解はできません。
地獄は地獄を見た人しかわかりませんん。
でも同じような経験をしている人は必ずいます。
だから、間違った人に、言っても意味のない人に、身近だから、機会があったから、友達だから、家族だからと言う理由で相談しないほうが身のためです。
適当なことを言われて振り回されるよりは、「経験済み」の人を探して、相談します。
その時初めて本当に「わかってもらえる」からです。