どうでもいいことを詮索してくる依存性者
アルコール依存性の家族と付き合っていると、こういえば、ああいうみたいな、だいたい予測がつくことがあります。
予測がつくから、別に聞いていることは何ともないことでも、自分の予測が先走って、ことが起こる前にイライラしたりもします。
執拗に自分がしていることを聞いてきたり、寂しがったり、理屈っぽいことを言ったり、自分がすごいみたいなアピールをしたり、上からだったり…
そういう時、「あーうっとうしい」ってどこか心で思っちゃうんです。
たとえば、電話。外泊で離れていて、話す時。
内容は特にどうでもいいことなんです。
でも、何してる?どこにいる?とか、執拗に詮索してくる。
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アルコール依存性の人って孤独です。だから基本、心の奥底には恐れとか不安がいつもあります。
本人も自分がしてしまっているとんでもない失態の数々…よくよく分かっています。
だから、正直、家族が共存していること自体、奇跡…みたいにどこか思ってるんです。
もちろん、口では言わなかったり、とてもそうとは思えないほど、キチガイじみた言動、行動に出ることはあります。
でも、根っこはやっぱりアルコールに頼らないとやっていけない…が基本だから、孤独とか寂しさとか疎外感とか、めちゃくちゃ敏感に感じ取ります。
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で、話を戻すと、遠距離になっている電話で、執拗に詮索したり、相手のちょっとした反応をめちゃくちゃ見ていたりする(ビデオ会話の場合)のも、あー、やっぱり孤独なんだなって思うんです。
私は、いつも夫が酔っ払っている状態で電話をしてくる時、普通の会話が普通にできないから、めちゃくちゃイライラしていました。
はっきり言って、話したくないんです。どうせまともな会話できないから。
だから、すごくぞんざいに扱ったり、投げやりだったり、どうでもいい感じの態度が、自分分かっている以上に、表れていたんだと思います。
ただでさえ、相手は孤独なのに、そういうブスッとした態度で私が対応するから、ますます相手は不安になる、そうすると怒りっぽくなったり、疑い深くなったり、どうでもいいことに、やたらと細かくなったり、ますます色々面倒くさくなるんです。
私は何度も場当たり的な対応で、わずかな時間でも、自分の感情をあからさまにして、不用意に新しい問題を別に作っていました。
今思うと、愚かだったと思います。
アルコール依存性者は、実にびっくりするほど敏感です。
全くアルコール依存性でない人なら、それがどのくらいかわからないくらい敏感と思った方が身のためです。
敏感なので、アルコール依存性者を前に、嘘、ごまかし、はぐらかしは厳禁です。
本当にこういう態度は火に油を注ぐようなもので、余計アルコール依存性者を苛立たせます。
じゃあ、どうすればいいかとなれば、ストレートに、その真逆、つまり、正直、素直、真摯です。
電話で、どーでもいいこと聞かれても、いちいち「はっ?!そんなことどーでもよくない?」とか思わずに、正直に話します。
「今何してるの?」と聞かれれば、「はっ?!あんたに関係なくない?」とか心の中で反論せず、「パソコンやってる。」「食べてる。」「ぼっーとしてる。」って、素直に事実を答えます。
「何を食べてるの?」「なんで?」と突っ込まれたら、「そんな人のことバカみたいに聞いてないで、寝て、酔いでも冷ませば!」などとは思わず、真摯に、「お腹すいたから。」「ランチ食べ損ねたから。」と真摯に対応します。
いちいち、アルコール依存性者につられて、こっちまで、おかしな対応を貫かないんです。
嫌味一言でも言ってやらないとどうしようもできないっていう状態も、十分おかしいことだったんです。
Noutiはこれに気づくのに随分と時間をかけました。
普通に対応したら、普通の対応が返ってきました。
バカみたいなバトルを避けられました。
わずかな時間、人として正直に素直に真摯に対応すれば、正直と素直と真摯が返ってくることがよっぽど多くなりました。