基準値が下がる

アルコール依存症と生活している中で、

Noutiの中で起きた変化は、

基準値がめちゃくちゃ下がった

ということです。

何に対する基準値かというと、

自分の心の状態

に対する基準値です。

興奮したり、

ワクワクしたり、

ひどくテンションが上がること

を求める代わりに、

落ち着いて、

平和で、

安らぎ

があれば、それに満足すると言う基準値です。

Noutiは、

この基準値が下がるプロセスに、

大変苦労しました。

というのも、

基準値が下がる＝

生活の質が下がる

基準値が下がる＝

夢を諦める

基準値が下がる＝

負ける

みたいなネガティブな連想をしていたからです。

でも、それは大きな勘違いで、

この勘違いを乗り越えた時、

Noutiの中で、変化が出てきたように思います。

基準値が下がるのは、

心の感受性の視野が広がること

を、実は意味していました。

人の何気ない親切に気づけるようになる。

人のさりげない言葉に、感謝できる。

何もない穏やかな1日が宝物のように見える。

基準値が下がることは、

それまで緊張して、硬直状態になり、

ガチガチになっていた、

心の筋肉が柔らかくなっていくこと

を、意味していました。

アルコール依存症との生活の中で、

次第に、トゲが削られていき、

丸くなっていったのかもしれません。

基準値が下がることは、

生活の質が下がるわけでも、

負けを意味するわけでも、

諦めでも、弱さでもなく、

心の感受性が広がった・・・

それだけでした。

どこに心が響くのか、

その範囲が広がったんです。

もしかしたら、同時に、

傷つきやすくなったり、

悲しみやすくなったりする

かもしれません。

でも、それは同時に、

喜びやすくなったり、

感謝しやすくなる

ことも意味しています。

好きな方、片一方だけを成長させることなんて、

難しいですね。

でも、人生の味わいは、

高まってくると思います。