アルコール依存症と旅行
アルコール依存症の夫にいつもピリピリしていた時は、私にとって、旅行は一つの試練でした。
車で2泊3日の旅は、夫と一日中ピッタリとくっつきます。
そして、旅行の時こそ、いかに自分はアルコールに反応的だったかをよく表してました。
私は、旅行はリラックス、楽しいものであるべきなのに、なぜ、お酒なんか飲む必要があるのか、という考えが頭の中からなかなか抜けませんでした。
依存症などと全然理解できなくて、仕事とかでストレスが溜まったならともかく、ストレスフリーの旅行で、なぜお酒がついてくるのか…楽しい旅行も、夫が手にしている酒のせいで台無しだと考え、不機嫌になっていました。
そして、私の次の思考は、こんな高いお金まで払って、宿を予約し、はるばるここまできたのに、どうせ飲むくらいなら、普通に家に居ればよかったくらいまでに思って、怒りを燃やしていました。
一方、頭の中では、どこか自分に語りかける声もあって、もうせっかくの旅行なのだから楽しもうよ、結局、自分の考え方で楽しくさせてないだけだよといい聞かせてました。
アルコール依存症に対して、病気だという理解が出来なくて、ストレスフルだから飲む、そうじゃないなら飲まないはず
みたいな考えが頭の中にこびりついて、それが、夫との旅行をすごく難しくしていたように思えます。
夫は、旅行中だろうと、そうでなくても、基本、飲まなきゃいけない状態の自分を恥じています。
だから、旅行中に私が不機嫌になると、私が心の中で思ったこと、つまり、
こんな高いお金まで払って、宿を予約し、はるばるここまできたのに、どうせ妻は不機嫌になるくらいなら、普通に家に居ればよかったくらいまでに思う
という同じようなこと思っていたかもしれません。
2人してお酒がきっかけで不機嫌になるなんて、馬鹿みたいにですね。
今では、旅行も随分力を抜くことができるようになりました。旅行を楽しむという当たり前のことは、旅行に多くのことを期待しない…ということ始まりました。
旅行だからといって、朝一から、1日いっぱいにフルで動き回り、充実させる!なんてことをゴールにせず、色々なトラブルや変更、予定外のスケジュール、特にやることもなくダラダラするのも、全部引っくるめて、旅行の醍醐味ぐらいに思って、ゆる〜く、かる〜く過ごせると、本当に良い休日を過ごせます。
ほんのちょっと、ベクトルをズラすだけで、随分変わりますね。
ささやかな時間、ゆっくり出来る時間、大切にしていきたいです。