アルコール依存症:Noutiブログ

脱アルコール依存症の病気:のうてぃ思考のNoutiブログ

今日1日だけ、依存症者の領域に踏み込まないこと!元アルコール依存妻のうてぃが、依存から自立へライフチェンジを目指す日々。自立して生きることを始めよう。Think Simple。

アルコール依存症に対して、恥の意識が強くて、助けを求められず、平然を装っていた私

私は、夫の飲酒の問題が明らかに普通ではないということを、薄々と分かっていながらも、助けを求めませんでした。

夫と出会う前まで、「アル中」という言葉は知っていましたが、「アルコール依存症」という病名を知りませんでした。夫が、アルコール依存症かもしれないと、気づいても、大げさな話にしたくなくて、人に助けを求めることは全然できませんでした。

助けを求めなかった理由は、私の中にあった「恥の意識」がすごく大きかったです。

そもそも、他人の問題のことについて、自分の恥として、自分ごとにしてしまうところが、すごく共依存的でした。また、他人の問題に対して、「恥」と認識するところも、すごく、人を裁いてしまう心の態度の表れだったなと思います。

そもそも、病気で苦しんでいる人を恥と見るなんて、とても失礼な見方でした。

こういう、私の抱えている様々な生きづらさから、私は、夫の病気について、助けを求めることが全然できませんでした。


頭の中では、常に、今起きてる問題は絶対に普通ではない、何かをしなくてはならない、助けを求めなくてはいけない、ということも分かっていました。

ある日、市役所に電話をした時、電話音が鳴り響いてる間に、実は誰も取らないでくれたらいいなと思いながら、それでも、ここで逃げたらだめだ!と、どこか歯を食いしばるような気持ちで、電話音を聞いていた数秒間があります。

もちろん、市役所ですから、実際に電話を取ってくれました。そして、私は助けを求めているくせに、同時にすごく冷静になって、「あんまり、問題はないんです。」アピールをしている自分もいました。強がっていたんです。

夫のアルコール依存の問題のことは、伝えましたけれど、でもだからと言って、必死に助けを求めるという態度を隠しました。

自分が心から求めていないないなら、必要な助けは得られないものです。その電話は結果的に、アルコール依存症の専門病院を教えられて、まずは病院に行くことが大切です、みたいな感じで終わりました。

病院の存在も既に知っていましたけれど、その電話の中では、「そうですか。」と少し大げさに受け答えしている自分がいて、「貴重な情報を教えて頂いてありがとうございます!」みたいな、態度を表していたと思います。

「奥さんは大丈夫ですか?」とも言われたのですが、「大丈夫です。」と言って、とにかく、自分にスポットライトが当てられることを避けてました。怖かったんでしょうね。助けが必要な自分を認めるのが。

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私は結果的に、実際に助けを求めて、夫も夫で助けられたわけですが、だからと言って、「もっと早く助けを求めればよかった!」という風には、簡単に言えない自分がいます。

というのは、当時は、本当にできるところまでは、自分たちの力で何とかやりたいと思っていたからです。それが普通だと思っていました。

助けを求めないことが、私の選択でした。結局、助けを求めたくなかったんです。求めたいけれど、求めたくない。求めたくないけれど、必要。堂々巡りが頭の中をごちゃごちゃさせていたと思います。

今思うと、「もう無理だ!」という、自分たちの力の限界までいかずに、依存症という病気から、私も夫も、果たして抜け出せたかというと、正直分かりません。

普通の病気のように、病気になりました、助けを求めました、結果、治りましたみたいな、そんな綺麗なプロセスには、あまり現実味がなくて、「早く助けを求めればよかった。」だけでは、片づけられないものがあります。

そもそも、私という何十年もかけて作り上げてきた人間そのものが、「恥の意識」を持って、育ってしまいました。

 

「助けを求めればいい」という、その一言がすごく簡単なように聞こえますが、本当に実際に助けを求めるとなると、自分の子供時代の頃から、積み上げてきた反応の仕方や、価値として置いてきたものを、抜本的に見直していく必要がありました。そして、それは、すぐにはできないことだし、まして、毎日依存症との生活で混乱している中で、精神的にもいっぱいいっぱいでした。

助けを求めることが、すごく難しい自分自身とまずは向き合うところから始めていく必要がありました。

そんな中でも、少しずつ、小出しではあったかもしれないけれど、助けを求めていくことができたこと、本当にその勇気が与えられて、感謝しています。助けを求める中で、人々の温かさにも、沢山気づきました。

強がって、弱さを隠すのではなくて、正直に生きることを、これからも大切にしていきたいと思います。