昨日の約束なんて今日になったら存在しない

アルコール依存症者との「約束」は厄介です。

基本的に私は、昨日の約束なんて、翌日になったら存在しないと思うようにしています。

えっ？

夢も希望もないって？

でも、こっちの方が、色々なことが平和でスムーズにいくんです。

基本、約束は守るものです。

自分との約束。

他人との約束。

色々な種類の約束があるけれど、

約束は、言い方はともかく結局、行動を縛っています。

結婚だってそう。

就職だってそう。

この人の妻になると決めたら、

やりたいかやりたくないかは別にして、

そこらへんのバーで出会ったランダムな人と、ランダムな行為はできない。

この会社の従業員になると決めたら、

やりたいかやりたくないかは別として、

会社の悪口を公に発し、競合が成功するような働きはしちゃいけない。

そりゃそうでしょう。

約束したんだから。

忠実に仕えますってね。

こういう大きな約束じゃなくても、日常生活では小さな約束が山のように存在する。

例えば、帰りに人参買っといてね。とか。

これも立派な約束。

アルコール依存症者は、約束をびっくりするくらい守れません。

病気の症状です。

飲んでるから、記憶に残っていなくて…

とかそういうレベル通り越して、

記憶に残っていても、できないんです。

なのに、約束破られた家族側が、真面目に「約束したじゃないか！！！！」って、

目の色変えて、鬼の形相して、

アルコール依存症者に怒るのは、

すごく、すごく、すごく、

ナンセンスです。

私はこんなナンセンスなことを何度も今までやりました。過去に何度も失敗しました。

基本、「自己中心的」な私は、約束が反故にされる＝自分の思い通りにいかないことに、むちゃくちゃ腹を立てていたんです。

「ふざけるな！！！」ってね。

「昨晩話したじゃん！こうするって。なんで、朝っぱらから無視するの！」

こんなことでバトルしていました。

めっちゃムカついてるんです。

人を更にムカつかせるようにまで見えちゃうんです。忙しくて、あーうっかりなんてことじゃなくて、だらーとして、片手にお酒なんて様子を見ちゃったら。

ちなみにこうやって、アルコール依存症者を攻めると、びっくりするくらい、倍返しどころじゃない、猛烈な勢いで攻め返されます。

だから、本当にやめたほうがいいです。

不毛です。

アルコール依存症者との約束は、

「まあ、もし守ってくれたら嬉しいけれど、

別になしならなしで、その時は、冷静にまた別のことを考えよう！」

くらいのゆる〜く、軽い気持ちのほうがいいです。

流れる水に流しちゃう。

無理やりせき止めようとしたり、

「ああいったじゃないか！」みたいに頑張っていると、どんどんどんどん、イライラが募る。

もうその1日、多分死んじゃいます。

そんなこと時間の無駄でしかないんです。

他でもない、“私”が、アルコール依存症の家族と過ごすことを決めたんだから。

アルコール依存性者という理由で放り出すことだってできたのに、“私"が一緒にいるって決めたんでしょ。

だから、

すべてが思い通りに行かなくたって、そこは受け流す。

約束を破るのは、アルコール依存症者の問題。

家族の問題じゃない。

アルコール依存症者が簡単な約束すら守れないほど、狂っているのも、アルコール依存症者の問題。

家族の問題じゃない。

そこは切り離さないと。

じゃないと、まるで二人で抱き合いながら奈落の底へ落ちていくよう。

冗談じゃない。

アルコール依存症者が狂っていようが、狂っていまいが、時間は過ぎているのだから、

今日この1日、少しでも喜ばしいこと、平安なこと、感謝なこと、嬉しいこと、達成したいこと、そんなことに意識を集中して、

もっともっと、柔軟に、

臨機応変に過ごそう。

約束は破られます。

それでいいじゃない。