スリップを絶対に責めるな
今回ちょっと乱暴なタイトルでごめんなさい。でも、Nouti的にはすごく重要なテーマなのであえてこうしました。
「スリップを絶対に責めない」でもいいのですが、「責めない」だと、自分の意志表示のような感じがします。「勉強します。」「禁酒します。」みたいな。
でも、まさに今回のテーマって「意志」に関わることで、「意志」なんかに頼っていると、ロクデモナイ方向に走ることは多々あるので、あえて命令形の「責めるな」にしました。
Nouti自身に言い聞かせる意味も込めて。
Noutiの考えるスリップとは
さて、今回のテーマは「スリップ」です。アルコール依存症の家族で、「スリップ」を見たことがない人は、ほぼほぼいないんじゃないかな?と思えるくらい、「スリップ」って結構身近なテーマです。
スリップをググると、依存症対策全国センターにこんな記述がありました。
スリップとは、お酒、薬物、ギャンブルをやめている最中に、極一時的に、再びお酒や薬を使用したりギャンブルをしたりすることです。まず初めに・・・
引用:https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment-method/slip
しばらくやめていて、断酒が進んでいたのに、戻っちゃった・・・そういう意味ですね。でも、Noutiはあえて、ここではスリップの意味をもっと広義に捉えて、「やめたいけれどやめられない」行為そのものをスリップと考えることにします。
スリップについて語ると、「うちの旦那なんて、スリップどころか、連続飲酒だから、スリップすらない・・・」と思う人もいるかもしれません。
でも、それは家族が勝手に自分たちが見える範囲で思っているだけです。
アルコール依存症者でスリップがないなんてありません。
本人が、心の中でやめたいと思っているのであれば、それがたとえ10日であろうが、3日であろうが、1日であろうが、1時間であろうが、10分であろうが、5分であろうが、30秒であろうが・・・書きたくないですが、1秒であろうが、スリップなんです。
お酒に手を伸ばしてしまった・・・つまり自分は「やめたい」のにその意志に負けてしまっているんです。
だから、連続飲酒で、スリップどころじゃないという人は、スリップだらけくらいに思ってもいいと思います。
家族のスリップに苦しんでいる時
周りにいる家族はこのスリップを見るのは辛いです。
お酒をやめてくれたと思ったのに、また始まった・・・がっくりします。
もちろん、飲んでいるか、飲んでいないかに完全に捉われなくなると、スリップしようがスリップしまいが、それすらどうでもよくなれます。
Noutiがその状態になれましたから、絶対になれます。
ただ、それは今は置いといて、依存症者のスリップに対して、苦しい時、考えて欲しいことはこれです。
もし、あなたが、依存症者のスリップを責めたら、あなたもスリップしたことになる。
です。
最後のところ、もう一度書きます。最後というか、ほとんどですが・・・。
依存症者のスリップを責めたら、あなたもスリップしたことになる。
です。
スリップのせいでこれまでを水の泡にしないで
依存症の家族は、大変な状況の中でも、どうにかしかして平和を見出そうと努力したり、自分に問題がある場合は、それを改善しようと努力してきました。
Noutiのブログを読んでくれている方は、基本的には家族を捨てるスタンスではないと思いますから、地獄みたいな中でも、自分が変化しよう、幸せになろうともがいている人がほとんどだと思います。
そんな中で、依存症者のスリップをもし責めるなら、それは、自分自身も、「昔の自分」に戻ったということです。
昔の自分とは、つまり、どうにもならない現状に対して、嘆いたり、怒ったり、発狂したり、泣きわめいたり・・・そんな惨めな自分、最悪!って思ったのに、また戻ってしまったということです。
責めるって言うのはそういうことなんです。
だから、もし責めたくなったら、一言言いたくなったら、それを言う前に考えてみてください。
確かに目の前の依存症者は、スリップしています。それを理由に、自分までスリップするのかと・・・。
1人のスリップが耐えられないから、2人のスリップにするのかと・・・。
1人が地獄に戻るのが耐えられないから、自分も一緒に地獄に行くのかと・・・。
スリップを責めるというのはそういうことです。
責めても何にもなりません。なるとしたら、前に戻る、過去に戻るだけです。
そんなの最悪です。すごく惨めです。
だから、スリップを責めないでください。
依存症なら、スリップは絶対にあります。自分の中で1回のスリップは許せるとか、変に限界を設けるから、2回のスリップには耐えられなくなったり、1年のスリップには怒鳴りたくなったりするんです。
そんな限界は外してください。
私たち家族にはわかりません。本人がどれだけの時間をかけて、回復するかなんて、わかりません。
わからないものに対して、勝手に結論付けて、勝手に怒って責めないでください。
そんなことで、自分の心の平和を失わないでください。
あなたが今、どこでこれを読んでくれているかはわかりませんが、同じような苦しみを抱えて、今読んでくださっている読者さんは、Noutiにとって、すごく大切な人です。
なぜなら、Noutiが経験した痛みは本当にきつかったし、こんなのあるべきじゃないって思っているから。
自分のこころを守ってください。
今日のブログはちょっと熱くなりました。
夏も近づいているので、ますます熱くなるかもしれませんが、気軽に付き合ってくださいませ。