励ますな!喜ぶな!テキトーに話すな!
昨日の記事に引き続き、断酒中の過ごし方(その2)です。今回は3つの視点から。
長らくアルコール漬けにされていたアルコール依存症者にとって、断酒とは、
戦場
です。
どれくらいの戦場かというと、アルコール依存症者ではないNoutiは、
わかりません。
でも、この「わからない」と言うのがめちゃくちゃ大事で、終戦後に生まれたすべての人が、戦争のことは、わかっているようで、全然、
わからない
ように、アルコール依存症者の断酒の戦いも、家族にはわかっているようで、
わかりません。
ただもちろん、スリップ回数が増えて、断酒と断酒でない状態が繰り返されると、家族側も経験値が増えてくるので、大体こんな感じというイメージはついてきます。
でも、所詮、イメージです。
だから、やっぱり、断酒中の彼らがどれくらいの思いをしているのか、
わかりません。
家族側にとって大切なことは、やはり、戦場は戦場であって、
断酒中は戦場であること
をちゃんと理解することです。
どんだけ本人が余裕そうな感じでも、なんか普通に戻ったような感じでも、やっぱり、
断酒中は戦場
です。
もちろん断酒が長く成功すれば成功するほど、戦いは終わりに近づいてきます。
だから、戦場というのは、断酒1日目から1、2ヶ月くらいまでが目安と思ってもいいと思います。
家族側は、何度も書いているように、この戦場の過酷さをわからないので、本当に理解できないものには、
首を突っ込まない
が基本です。
わからないものはわからないもの
にすること。
そうじゃないと、謙虚さが奪われて、変な行動に出てしまうから。
その変な行動が、今回のタイトル。
励ますな!
喜ぶな!
テキトーに話すな!
です。
励ますな!
まずは、励ますな!について。
戦いが始まったことを中途半端に理解していると思い込むと、ついつい、励ましちゃいます。
「断酒嬉しいわ!この調子で頑張って〜いけいけ〜」
って感じの態度です。
不要。
なんでかって言うと戦場だから。
アルコール依存症者にとっては、東京大空襲みたいな感じなのに、家族側はW杯の観戦になっちゃっているから。
意識の違いありすぎでしょ。
だから、励ましも応援も不要。
正しい言い方をするなら、不要というよりも、多分ふさわしいやり方をわかっていないから、下手に出ない方がいいというイメージです。
喜ぶな!
次が、喜ぶな!です。
これは、断酒しているところをまだわずかしか見たことがない家族にとっては、なかなか無理のあることかもしれません。
だって、ふつーに嬉しいから。
「やった、お酒やめてくれた。イエーイ!」
ってそりゃなるよね。
ただ、何度もスリップを繰り返されるうちに、少しずつ冷静にはなってきます・・・。
喜ぶ!っていうのは、結果の先取りなんです。
断酒開始は、戦場。
まだ勝ったか負けたかなんて全然決まってません。
勝負の真っ最中なんです。
なのに、家族側が喜んでる。もう、うまくいったと思っている。この意識の違いは余計なプレッシャーです。
喜ぶのはまだ早い!とかそういう話よりも、
相手の真剣勝負に、勝手に結論づけないと言うこと。
テキトーに話すな!
そして最後がテキトーに話すな!です。
断酒して間もない時は、脳が正常ではありません。
だから変なことを言うこともあるし、
家族側が言ったことを変に捉えることもあります。
だから、意味不明なこと、言っても言わなくてもどうでもいいこと、理解不能なこと、しょーもないことは、あんまり持ち出さない方がいいです。
自分で考られることは、ちゃんと自分で考えて、どーでもいいことで、極力、断酒中の人を巻き込まないことです。
というのも、彼らは断酒開始後、めちゃくちゃ疲れています。
慣れない身体と心に付き合うことに、めちゃくちゃ疲れています。
だから、気に触るようなこと、深い思考を要するようなこと、それこそ相手がテキトーに答えられないようなことを、あんまり話さないようにします。
タイミングって結構重要です。
1年後話してもいい話は1年後話します。
話しても話さなくてもいい話は、あんまり話さない。
テキトーに話すな!っていうのはそういうことです。
以上、断酒中の過ごし方でした。