コロナとアルコール依存症

緊急事態宣言が出されました。

コロナとアルコール依存症なんて、関連ありません。
でも、こんな時だから、コロナとアルコール依存症のことを考えてみたいなと思いました。

東日本大震災の時のように、毎日毎日、死者数、感染者数がアップデートされる情報を見るのは心が凹みます。

数字が大きくなりすぎていて、一人という大切な人間が死んだのに、数字になった途端感覚が麻痺してきます。

このブログでも何度か書きましたが、私は夫のアルコール依存症の問題を通じて、何度も「死」のことを考えたし、リアルにバトルの真っ最中には、大げさでなく「死」と向かい合わせみたいな経験もしてきました。

でも、今、このコロナの社会情勢の中で、アルコール依存症の問題を考えると、自分にとって、巨大な悪の塊にしか見えなかった「アルコール依存症」が、随分と大したことのないものだとつくづくと感じさせます。

感染によって、何千、何万という人に影響を与え、簡単に人を殺してしまうコロナを前に、アルコール依存症の当人が、アルコール依存で苦しんでいる問題は、家族がその問題に首を突っ込まなければ、完全に問題は本人に留まっているもの。

すごく、小さな問題に見えてきました。

それに、アルコール依存だろうが、毎日、朝起きて、生きて、寝て、人生を送れているっていうこの当たり前の生活にもっと感謝できることが沢山あったと気付かされます。

コロナで死ぬにしても、コロナで死ぬ前に、「アルコール依存症」のことでガミガミ怒って、欲求不満に立って、魂をすり減らすような日々を送っていた・・・なんてことは思い出したくありません。

アルコール依存症は、病気の一種。でも、その病気と闘っている最中は、ちゃんと生きている。必死に、人生を歩めている・・・。ただそのことだけに感謝して、生きていきたいなと思います。

コロナという強敵が現れたら、アルコール依存症なんて、小さな問題です。

今の困難や試練は、私たちのこれまでの生活がどれほど豊かで恵まれていたかを思い出させてくれるし、思い出していかなくてはいけない機会だと思います。