暴言・暴力への対策
昨日の記事に関連し、今回は、暴言・暴力に関する対策の仕方を書いていきます。
ただ、対策といっても、暴言・暴力はそもそもすごく理不尽なものなので、すごく理不尽なものに、真面目に対策をとろうとすること自体、すごく理不尽な話ですから、テクニック的なものというよりも、暴言・暴力をする彼らのメカニズムを少しでも家族は理解して、対策を考えるきっかけになればと思います。
前提として、まず、何度もこのブログで書いていますが、アルコール依存症者は、日々、
自分を責めて
います。
ウザいくらいに、バカじゃないかと思うくらいに、全く理解できないくらいに、
自分を責めて
います。
簡単に言えば、毎日毎日、自分を傷つけているような感じです。だから、もう人が何も言わなくても、十分すぎるほど、日々、
自分で自分を罰して
います。
家族の役割は、
アルコール依存症を罰する
ことではないんです。
罰したくなる気持ちは、Noutiは痛いほど分かります。
でも、
本人が、もう十分すぎるほど、自分のことを罰しているのに、そこで、家族が更に追い打ちをかけなくてもいいというよりも、追い打ちをかけtも意味がないってことです。
ハンマーで何かを叩いていて、もう既にペチャンコになってしまって、叩いたところで、潰れようのないものを叩き続けても意味がないです。
もっと言うなら、例えば、イメージとして、ある取調室で、殺人犯が殺人を自白したとします。そして、犯人が「申し訳ございませんでした!」と言って、頭を床にガンガン叩きつけながら、土下座を繰り返したとします。
もう、頭が割れてしまうんじゃないかと思うほどに、自分を罰しつづけているんです。で、もし検察の立場だったら、そこまでしている犯人を見て、更に、相手を責めることなんて、もうしないと思います。取調は一旦終了です。
アルコール依存症者は、家族に言われる前に、もう自分自身で十分すぎるほど罰しています。
だから、そんなボロボロの状態の人に、
怒る、責める、無視する、馬鹿にする、冷たくする、侮辱する・・・
などなどをすると、自責の念が限界の域に達してしまい、ほぼほぼ間違いなく、
暴言・暴力
に繋がると思います。
結局の所、
暴言・暴力
コップから溢れ出した思いです。彼らなりの自己表現です。もう耐えられませんという正当防衛です。彼らの中では。
なので、まず、暴言・暴力が起きないようにするためには、とにかく既に責め続けている相手を
プラスαで責めるのはやめる
だけでも、だいぶ針が振り切れてしまって、暴力・暴言につながるのを避けられると思います。
ただ、今これを読んでくださっている中で、
そんなことはとっくに分かっている、家族の対応として何度も学んだ、叱責とかして相手を責めちゃダメとかもわかってるし、そんなことはしていない。困っているのは、こっちは何も空いていないのに、普通に生活をしようと思っているのに、勝手にブチ切れて、暴れ始めるのが、本当に理不尽でフェアじゃない
と思っている方もいるかもしれません。
そうなんです。アルコール依存症って脳の病気だから、家族は何もしていないのに、突然家族に向かって牙を向けるなんてことあるんです。
これはなぜかというと、一つは時系列がぐちゃぐちゃになっていることが挙げられると思います。
酔っ払ったり、ブラックアウトしたり・・・そんなことを繰り返しているアルコール依存症者は、
物事の原因と結果がぐちゃぐちゃ
になっています。
だから、何か良くないこと、例えば泥酔して転んだ、遅刻した、大きな失敗をした・・・なんでもいいですが、そういう「結果」に対し、勝手に都合のいい「原因」を持ってこようとしたり、時間軸がそもそも狂ってしまっているから、過去にされた家族からの叱責などを急に思い出して、今自分が怒る(怒らせた)理由として利用したりするんです。
たまたま目の前に家族がいれば、その家族のせいにして当たったりします。そこに理屈とかは全然なくて、
たまたま
です。
だから、急に怒り出したパターンの場合は、
病気のせいで、現実と時系列すら理解できないほどに混乱状態になっている
と理解し、一歩も二歩も引いて観察することをオススメします。もちろん身に危険がある場合はすぐさま安全を確保してください。
暴力・暴言の何が辛いかって言ったら、相手の言うことをまともに受け取ってしまうことです。
家族はこの言葉を吸収してしまうと、本当に苦しい思いを抱えることになっちゃいます。Noutiも何度も吸収しました。あまりにも辛くてもう死にたくなっちゃったことまでありました。
でも、ちゃんと病気を理解し、アルコール依存症のメカニズムを知り、暴力・暴言につながるサインを読み取るなら、家族側は対策をとることができますし、必要以上に傷つくことを避けられます。
昨日の記事でも書きましたが、
暴力・暴言は100%悪い
んです。
今、もし暴力・暴言、DVとも思えるような被害を受けて苦しんでいる家族の方がいらっしゃいましたら、どういうことがきっかけで起きたか、Noutiに個別のメッセージで教えてください。避けられるポイントがないか、一緒に探したいと思います。