「もうダメだ」「全て終わりだ」の気持ちについて
アルコール依存症の夫と生活する中で、「もうダメだ」「すべて終わりだ」と思うことが何度かありました。
でも、今は「もうダメだ」「全て終わりだ」と思うほどまで、我慢しないことを学んでいます。
「もうダメだ」「全て終わりだ」と思う段階までいくと、その先にとる行動がとても極端になることがあります。
そして、極端な変化というのは、人間というのはそもそも変化をあまり好まないようにできているらしく(好奇心旺盛な私ですが)、精神的なダメージが非常に大きいそうです。
「もうダメだ」「全て終わりだ」と思ったら、瞬間的に、感情に反応するのでなくて、「よくもここまで頑張ってきたものだ。」「普通なら、もっと途中で投げ出してしまうのに、よくもこんなに耐えたものだ。」と自分を見てあげます。
その上で、「さあ、これからどうする?」をゆっくり考えていきます。ゆっくりです。
アルコール依存症は病気です。家族が急に「もうダメだ」「全て終わりだ」と思ったからと言って、飲んでいた依存症者が急に飲まなくなったり、急に底ついたり、急に態度を変えたりということは一切期待してはいけません。
また、一時的に依存症者からの謝罪を受けたり、もう二度とこんなことはしないと態度を改めるようなそぶりを相手が見せたとしても、長くても1週間〜2週間くらいと見ておいた方がいいと思います。
「もうダメだ」「全て終わりだ」と思った気持ちを武器に、アルコール依存症者をどうこうしようなんて思ったら絶対ダメです。
「もうダメだ」「全て終わりだ」の気持ちは自分が所有し、自分のこれからを考えるために使うものです。
私は、自分の人生を振り返ってみて、「もうダメだ」「全て終わりだ」と思った時から、ようやく道がひらけてきた、何か光が差し込んできたような感覚があります。
「もうダメだ」「全て終わりだ」は、言葉通り、終わりません。いのちが続く限りは、その気持ちは、何か一回り、精神的に一歩成長するサインだと思います。